2017年2月20日月曜日

げんつきげんちゃんは銅像なのか?

2月20日のつひまぶブログです。
つひまぶのコラム「北区銅像巡礼」を担当しているのですが、北区は銅像が本当にたくさんありますね。
銅像にまつわるお話をうかがっていると、銅像になっている人の偉大さとか、すごさばかり注目してしまうのですが、話してくださる方の「こんなにすごい人なんですよ!」という熱意に打たれることがあります。かと思えば、記録がほとんど残っておらず、建てられた経緯さえわからないようなかなしい銅像もあります。それもこれも聞いてみなくちゃわからないので、やっぱりやっていてとても面白いのです。

そんな風に、毎回楽しく取材している「北区銅像巡礼」ですが、たまに「これは銅像なの?オブジェなの?」というものにも出会います。
いい例が、梅田の一等地に建てられている「げんつきげんちゃん」。


大阪駅の真向かい、第一生命ビルディングの地上に「げんつきげんちゃん」はいます。像の前にある板に「鍾馗様由緒」が書かれていて、「げんつきげんちゃん」という名前の鍾馗様像だということがわかります。そして、調べてみると、鍾馗様はもともと、中国の実在した人のようなのです。顔が怖すぎて官吏登用試験だった科挙に落ちてしまいます、そのせいで亡くなってしまうのですが、手厚く葬られたのだそうです。その後、病に倒れていた、唐の玄宗皇帝の夢に現れて病を治したんだそうです。夢の中で玄宗皇帝が「お前は誰だ?」と聞くと、「科挙試験に落ちて死んだ身だけれど、手厚く葬ってもらったことに恩を感じているものだ」と答えたんだそうです。それで、玄宗皇帝は夢で見た鍾馗様の姿を絵師に描かせて神様として祀ることにした、とかなんとか。鍾馗様のこのお話が日本に伝わったのは、明治時代のようですが、厄除けなどとして屋根に人形が飾られたり、五月人形になったりとずいぶん浸透したようです。
鍾馗様像はだいたい、鬼のような強い顔をして、長い髭を生やして、中国の古い時代の武官のかっこうをしています。
「げんつきげんちゃん」もやはり、長い髭と武官のかっこうになっています。
が、顔つきや雰囲気がもはや人というより神様にしか見えないのです。私には。
それで、銅像として取り上げるのをためらっているのですが、顔が怖すぎて試験に落とされるとか、ちょいちょい話が面白すぎて見過ごせないのです。
まったく、惜しいことです。
げんつきげんちゃん。


ちなみに、「げんつきげんちゃん」を作った流政之さんの作品は、阪急三番街地下2階にもあります。その名は「UMECHAN」。ぜひはしごしてみましょう!